キーホルダー

会社の同僚を連れて家に帰ると、玄関ドアの鍵穴にカギが刺さらない。
同僚、「他にカギはないの?」
私、「このカギしかない」
同僚、「そのカギであってるの?」
私、「あってるよ!」
確信を持って言えたのは、家のカギにはキーホルダーが付いているから。

同僚、「このキーホルダーって、〇〇のだよね?」
私、「うん」
家のカギに付けてあるキーホルダーは、家族で〇〇に行った時に思い出に買ったもの。

同僚、「このキーホルダーって、1つだけ?」
私、「ううん。奥さんと息子達の分も一緒に買った」
同僚、「間違えて、奥さんや子供のカギを持って来ちゃったんじゃないの」
私、「間違えて持って来たとしても、このキーホルダーは家のカギにしか付いてないから、誰のカギでも玄関ドアは開くはずだよ」

家の玄関付近で同僚らとザワツイていると、隣の家の防犯ライトがパカパカ点滅しだしたため、同僚らと近所のファミレスへ行った。
同僚らが誰1人、「奥さんに電話してみれば良いじゃない」と言わないのは、私の奥さんが恐妻家であることを知っているため。
同僚、「この後どうするの?」
私、「お前たちは、どうするの?」
同僚ら、「俺たちは家に帰るよ」
私、「俺、どうしよう・・・」
同僚ら、「・・・」
同僚らが誰1人、「うちに来るか?」と言ってくれないのは、同僚らの奥さんも恐妻家揃いだから。

始発便が出るまで、同僚らとファミレスで時間を潰した。
同僚らと別れ家に帰ると、部活の朝練に行く息子が家から出て来た。
私、「このカギで玄関が開かないんだけど」
息子、「昨日、カギを替えたからだよ」
私、「なんだ、そういうことか。お父さんのカギは?」
息子、「ママに聞いて」
私、「・・・」

家に入って、妻に恐る恐る家のカギについて聞いてみると
妻、「いるの?」
私、「うん」
妻、「どうせ、また落とすんでしょ!」
私、「・・・」

私が持っているカギは、息子に持たせていたスペアーキー。
翌日、玄関の靴棚の上に私用の新しいカギが置いてあったのだが、落としたら気づくメッチャ大きなキーホルダーが付いていた。

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